スイーツの安心・安全 「さっぽろスイーツカフェ運営協議会」
安心と安全 (札幌洋菓子協会と共同での取組み)
さっぽろスイーツカフェ運営協議会の取組み
洋菓子の安全管理について「アレルギー」
私たち、洋菓子に携わる業界の一員として、消費者に満足していただくため、食品の安全に対する取り組みを、よりいっそう強化していかなければいけません。 製造部門や管理部門、売場におけるサービス部門全体で、正しい知識を持って実務を遂行することが望まれます。[安全管理」は行政からの規制ではなく、食品に携わる者としての義務です。尚、行政における食品衛生法やJAS法の改定など、なるべく分かりやすく見直しや更新をしていこうと考えております。
■1、食物アレルギーについて (売場の販売員も絶対に学ばなくてはいけないこと)
私たち洋菓子を扱う者として、製造者や売場の販売員を含め、最低限絶対的に必要な知識が、食物アレルギーです。
なぜかと申しますと、洋菓子の原材料のほとんどがアレルギー成分を使用した素材で構成されており、間違ってお客様に提供した場合、じんましん、湿疹(皮膚賞状)、下痢、嘔吐、腹痛などの消化器症状、鼻、眼粘膜症状、呼吸困難などの呼吸器症状、更に最も重症であるアナフィラキシーショックという症状に陥り、意識不明や死に至るケースもあるのです。商品への表示やプライスカード等の説明書きはもちろんのこと、売場の販売員がお客様にお声かけをしなくてはいけないものなのです。
例1) お客様がナッツ系のアレルギーをお持ちの場合・・・お客様は自分がナッツアレルギーであることを販売員に伝えた上で、ある商品を指して「これは大丈夫なのか」と尋ねた。指定された商品がフィナンシェであり、販売員はフィナンシェはマドレーヌと同じ素材で作られていると誤解し、フィナンシェをお客様に提供。
後日、家族から連絡が入り、お客様は入院。ショック状態までには至らなかったが重症だと伝えられる。更に保健所から連絡。 お店側はプライスに表示している旨を伝えたが、売場の販売員へ確認したにもかかわらずフィナンシェを提供したということで訴訟。(企業側が言い訳すればするほど悪化します)
*フィナンシェはアーモンドを使用するが、マドレーヌは使用しない。 アーモンドアレルギーは比較的少ないが、重い症状の方もいる。 |
アレルギー提示ミスは、営業停止、賠償金・PL保険・刑事訴訟にまで発展する恐れがあります。
厚生労働省、農林水産省、公正取引委員会の表示指導の中では「表示」までを詳細に指導していますが、札幌洋菓子協会は「表示だけに頼らず、販売員を含めお店全体で消費者に"説明"が出来るように訓練しましょう!」という指導が必要であると考えられています。 アレルギーをプライス・カードなどの表示だけに頼るのは、「お客様の自己責任で・・」という意味合いが強く、洋菓子屋が安全管理に取組む姿勢を問われてしまうからです。 また、本来のあるべき販売員の「おもてなし」の意義まで問われ、「販売員=物売り」だけに捉われてしまう恐れがあることに懸念しています。
表示というものは、食品を取り扱う事業所にとって最低限の掲示であって、最大限ではありません。「これで安心」ということはないのです。 さっぽろスイーツカフェでもアイ・コンタクト、表示だけに頼らず、お客様との対話からはじめることが安心・安全の第一歩だと考えております。
アレルギー表示が求められる品目
発症数、重篤度から見て表示する必要性の高い品目は「特定原材料」として、含有量の多少にかかわらず原材料表示が義務づけられました。
| 必ず表示される7品目(特定原材料) |
えび、かに、卵、乳製品、小麦、そば、落花生 |
表示が勧められている20品目
(特定原材料に準ずるもの) |
あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
● これらが食品の原材料中に含まれる場合には、(原材料の一部に○○由来原材料が含まれます)という旨の表示が必要です。(札幌洋菓子協会資料)
● 表示される原材料は、食物アレルギーの実態に応じて見直されることがあります。
● 食べ物アレルギーの場合は、ごく微量から発症することが多く、特にお菓子の場合は、製造中に微量に混入してもアレルギーを発生することがあるので、原材料に特定原材料7品目が該当しなくても、原材料表示の下に製造環境を告知することが望ましいとされています。「本品製造工場では、卵、小麦、ナッツ類を含む製品を生産しています。」
特に空気中に舞う確立の高い小麦粉やナッツ類をプードル状にする事がある洋菓子店では必要と考えられます。
原材料表示サンプル |
|
備考 |
名称 |
洋菓子 |
←代表商品名 |
原材料名 |
小麦粉、砂糖、植物油脂(大豆油を含む)、卵、アーモンド、バター、異性化液糖、脱脂粉乳、洋酒、でん粉、ソルビートル、膨張剤、香料(乳成分・卵を含む)、乳化剤(大豆由来)、着色料(カラメル、カロテン)、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC) |
●卵、玉子の表示はどちらでもよい。
●着色料の赤104、黄4、青1などの表示規定は任意。(百貨店などは義務付けしているところが多い)
●使用分量の多い順から表示していく |
プライスカードのアレルギー表示 |
|
原材料 |
マカロン 塩キャラメル
158円(税込)
卵・アーモンド・乳製品・くるみ
|
|
砂糖、卵白、アーモンドパウダー、バター、水飴、生クリーム、粉乳、クルミ、塩、食物繊維、バニラビーンズ、膨張剤、乳化剤、着色料(チョコレート色、黄色4号) |
消費期限の短い「調理品」(生のケーキなど)の場合はプライス・カードには原材料を全て記載する必要はありません。記載するものはアレルギー表示であり、品目は特定原材料7品目です。しかし、落花生を使ってないのに、ナッツ類を落花生に置き換えるのは無理があります。 よって、ナッツ類は使用材料名を記載することをお勧めします。(アレルギーではありませんが、お子様の為に、お酒を使用する場合は、「洋酒」と記載すると親切です)
ナッツ系アレルギー (特定原材料としての表示義務は落花生だけだが・・・・・)
| ラッカセイ、アーモンド、カシューナッツ、ペカン(ピーカン)、マカダミア、ピスタチオ、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、松の実、ヒマワリの種、かぼちゃの種、シイ、クルミ、栗、銀杏、ごま、はすの実、クコの実、ブラジルナッツ、スイカの種、その他・・・。 |
ナッツアレルギーを持つ人は、驚くべきほど少量のナッツ成分を摂取しただけで重篤なアナフィラキシーショックを発症することがあります。(ナッツを使用していない食品でも、製造工場でナッツを使用している機器から微量混入があっただけで発症した例がある。)
特定原材料表示7品目、及び推奨20品目に該当しないその他のナッツであっても、重症なアレルギーを持つ方が多いのです。 すなわち、厚生労働省で義務づけしていようがいまいが、ナッツ系に関しては表示することをお勧めします。(一部百貨店関係では義務付けしています)
アルコールの表示 (任意表示)
アルコール類については、アルコールを飲むことにより、顔が赤くなったり、動悸がしたりという摂取時の反応があるため、その反応が特定原材料等の抗原性によるものかアルコールの作用によるものかを判断することは極めて困難です。したがって、アレルギー疾患を引き起こすとの知見が得られにくいため、飲料用のアルコールや牛乳の乳漿から製造される工業用アルコール(主に食品の製造時に用いられるアルコール)についても、現時点では表示義務の対象となっていません。しかしながら、今後さらに報告・症例の調査に基づき検討していく必要があると厚生労働省も検討中です。お菓子の材料に使用する場合は、洋酒という表示が必要ですが、アレルギー表示としてではなく、プライス・カードなどに「お酒」を使用している等の記載があれば、より親切かと考えます。
厚生労働省 アレルギー物質を含む表示について・・~ 特定原材料の範囲 洋菓子素材~
ゼラチン
「ゼラチン」は主に、牛、豚を主原料として製造され、大変多くの加工品に原材料として用いられています。 今日、「ゼラチン」は日本標準商品分類上、明確な分類項目はありませんが、「ゼラチン」の名称で流通している製品を原材料として用いている場合はアレルギー表示の対象となります。ゼラチンの表示は原材料としてゼラチンのみを表示すれば良いので、「由来」とか「含む」を記載する必要はありません。
卵
卵については、鶏卵のみを示すのか、その他の鳥類の卵も含めるのかの判断が難しいですが、交差反応が認められている(鶏卵でアレルギーを起こす人は他の鳥類の卵でもアレルギー症状を起こす場合がある)ことにより、鶏卵のみでなく、あひるやうずらの卵等、一般的に使用される食用鳥卵についても対象となります。しかし、他の生物の卵(魚卵、は虫類卵、昆虫卵等)は範囲に含まれません。 また、全卵のみではなく、卵黄と卵白に分離していたとしても、表示が必要です。さらに、生卵を使用している場合は勿論のこと、液卵、粉末卵、凍結卵等を用いた場合も「卵」を使用している旨の記載漏れがないよう注意しましょう。
小麦
小麦で代表的なのは小麦粉です。小麦はグルテンの含有量の違いにより、普通小麦、準強力小麦、強力小麦、デュラム小麦等に分けられますが、全ての小麦が表示の対象範囲となります。また、小麦粉についても同様に、強力小麦粉、準強力小麦粉、薄力小麦粉、デュラムセモリナ、特殊小麦粉等が対象範囲となります。
小麦は様々な食品に原材料の一部として使用されることが多く、さらに最終製品となる食品を見ただけでは使用されていることが判別できないことがほとんどです。しかし、小麦によるアレルギーの症状は重く、また、食生活の欧米化に伴い患者数増加の傾向があり、即時型のアレルギー物質の中で主要なものの一つとなっていますので、記載漏れのないよう注意が必要です。なお、大麦、ライ麦等は対象外ですので、表示の必要はありません。
乳
特定原材料のうち、「乳」に関しては牛の乳より調整、製造された食品全てに関して表示が必要となります。今回は、牛以外の乳(山羊乳、めん羊乳等)は表示の対象外とします。 「乳」に関しては、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)」(以下「乳等省令」という。)に準ずるものとなっています。乳等省令では、乳は、牛以外のものを除くと、「生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳」と、乳製品は「クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料」とされています。 これらは個々に定義されていて、定義に当てはまらないものは個々の品名で表示できないこととなっています。よって、乳を主原料としていても、これらの定義に当てはまらない食品については、「乳又は乳製品を主原料とする食品」と分類されています。
今回は、乳、乳製品、乳又は乳製品を主原料とする食品、その他乳等を(微量であっても)原料として用いられている食品を対象としています。
そば
そばは従来から日本において重篤なアレルギー疾患の原因物質として有名です。そばアレルギー患者の中には、ごく微量のそばが混入していても重篤な症状がでる方がいます。 特定原材料とされている「そば」は、麺のそばのみではなく、そば粉も含めるため、そば粉を用いて製造される、そばボーロ、そば饅頭、そばもち等も表示の対象となります。 そばは、こしょう等の調味料に含まれる場合もありますので、原材料となる加工品についても細かく確認して、正確な表示をする必要があります。
落花生
落花生は、いわゆるピーナッツ、なんきんまめとも呼ばれるものです。多くの料理や菓子類に使用されますが、ピーナッツオイル、ピーナッツバター等もアレルゲンとなるので注意が必要です。落花生によるアレルギーは日本では非常に少ないものでしたが、徐々に患者数が増えてきていて、今後さらに増加傾向をたどることが予測されています。一般に脂肪が多い小粒種は採油用に、蛋白質が多い大粒種は食用にされることが多いようですが、両方とも表示の対象となります。
大豆
アレルギー表示における「大豆」の範囲は、えだまめや大豆もやし等未成熟のものや、発芽しているものも含みます。大豆には色々な品種があり、色や大きさ、形などによって分類されています。色については、みそ、しょうゆ、納豆、豆腐には黄色系統が用いられ、きな粉や菓子用に緑色系統(青豆、菓子大豆と呼ばれる)、料理用に黒色系統(黒豆)が用いられています。アレルギーの表示としてはこれら全てが対象となります。
オレンジ
日本標準商品分類によると、オレンジ類はかんきつ類中の1つのグループとなります。アレルギー表示における「オレンジ」の範囲はネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ等、いわゆるオレンジ類をいいます。よって、うんしゅうみかん、夏みかん、はっさく、グレープフルーツ、レモン等は対象となりません。